巻末の解答

勉強したこととか、旅行したこととか、好きなアイドルの話とか

プロポーズ大作戦

G=(V,E)を二部グラフとし(A,B)Gの分割とする。

このとき、GAのマッch・・

 

「なんだ数学かよ・・・」

「タイトル関係ねーじゃん」

「騙しやがって」

「だってタイトルは」

プロポーズ大作戦

キダ・タロー

ちょうど2か月前にキダ・タロー氏が亡くなられました。

享年93歳。長生きされましたね。

関西のご長寿番組である探偵ナイトスクープでお馴染みの方も多いかも。

本業は作曲家。CM曲から学校の校歌と幅広いジャンルで活躍されており、

二つ名は「なにわのモーツァルト」。

 

亡くなったとニュースを耳にしたとき、まっさきに思い浮かんだ曲がこの曲です。

www.youtube.com

 

小気味いいリズムで思わず鼻歌が出てしまいそうになります。いい曲ですよね。

さて、早速のタイトル回収となりますが、

この曲のタイトルはプロポーズ大作戦です。

なんでそんな名前なのかというと、「プロポーズ大作戦」という昭和のバラエティー番組のオープニングテーマで使われていたからです。

(2007年に同名のドラマ番組がありますがそちらとは関係がなさそうです。)

プロポーズ大作戦ってどんな番組?

基本的な番組の構成は前半・後半の2部制。

前半

以下wikipediaより引用。

「目当てのお相手」との出会いを求めて番組に応募してくる視聴者の依頼に答えて、スタジオでの「ご対面」を実現させるというコーナー

ここでの依頼は、「お相手」が「通勤時にいつもすれ違う」など、どこの誰かが分からないので探して欲しいというものと、「取引先の受付嬢」など、どこの誰かは分かっているが、直接告白するきっかけがないので、番組をきっかけにして気持ちを伝えたいというものに二分された。

なんとも昭和らしい番組だなぁ。

と思ったけど、地上波で放映しないだけで似たような番組(バチェラーだっけ?ていうか似てるのかな?)は今でもやってそう。

今も昔も人は他人の恋模様に興味津々なのは変わらなさそう。

後半

さてこっちが本題。

後半は「フィーリングカップル5vs5(5たい5)」と呼ばれるコーナー。

wikipediaさーん!

大学生が学校対抗形式で、それぞれ男性チーム・女性チームに分かれて5人ずつ登場し、集団お見合いをさせるというコーナー

参加者はお気に入りの相手を第一印象で選んだ上で、それぞれの個性や学校生活などについて自由に話を持つ。そして最終的に出演者の目前にある大型テーブルを使って判断をし、両想いになるとカップル成立と判断するもの

まぁ、合コンみたいなもんですわ。

テーブルのイメージ

最初はこんな感じでテーブルに座ってます。

ここから第一印象と相手とのコミュニケーションで付き合いたいかどうかを判断し、

意中の相手同士であれば“相手と線を結ぶように”テーブル上のランプが点灯します。

カップル成立

上の場合だとカップル3組成立です。

ちなみに、「フィーリングカップル5vs5の5番」というとお笑い枠・落ち枠の人だそうです。

その昔、母親に「あんたは5番や」と言われたことがあります。

寡黙なメンズになりたいものです。

(誰がお笑い枠やねん!)

少し条件を変えてみて

ここからは数学的な話に移っていきます。

さて、「付き合ってもいいと思える人を一人に絞らなくていい」という条件にすれば

もっとカップル成立の可能性が高まりそうですよね。

わかりやすく例を出してみましょう。

「お互いに付き合ってもOK」であれば線を引くというルールで関係を図示します。

お互い“脈アリ”だったら線を引く

この世界に恋のキューピットがいるならば、この状況でカップルが一番たくさん成立するような組み合わせを選ぶとしたら、最大何組になるだろうかと疑問に思うはずです。

そしてもっと欲張って、全員がカップルになれるような組み合わせがあるのだろうか?と考えるはずです。

今回は僕がキューピットとして頑張ってみます。

えいや!!

パーフェクト達成(5組達成)

赤線で結んだ男女をカップルとすれば10人全員がカップル成立です。

良かった良かった。

でも毎度うまくいくとは限らないのが恋愛の世界。

一体全体どういうときに全員がカップルになれるんだろうか?と疑問がわきます。

グラフ理論

点とその間を結ぶ線で表される図形を数学では「グラフ」といいます。

(中学・高校で学んだ「関数のグラフ」とは別物です。)

グラフの例

例1

例2

ほんとなんでもいいです。点をいくつかおいて点と点を適当に結んだものをグラフといいます。

数学ではこれが研究対象となっている分野があります。

グラフ理論」と呼ばれる分野です。

そして先ほどのフィーリングカップル5vs5の条件を少し変えたバージョンで考えた

「全員がカップルになれるかどうか?」

という疑問もグラフ理論の問題としてとらえることができます。

それが「マッチング」という考えです。

マッチング

いやアプリじゃねーよ。

カップルうんぬんの話から急に「マッチング」という話に移ったのでマッチングアプリの話かと思われた方もおられるかもしれませんが、この「マッチング」もグラフ理論の言葉です。

 

グラフのマッチングとは、互いにつながっていない線の集合のことです。

 

なんのこっちゃ。

とりあえず例を。

下に二つのグラフを書きました。

左の赤線3本がマッチングしている例です。

右の赤線3本はマッチングしていない例です。

マッチングとそうじゃない例

もう一つ例を。

マッチングとそうじゃない例2

そしてもちろん、次もマッチングの例です。

マッチングの例3

ここまでくれば「マッチング」という言葉もしっくりくるのではないでしょうか。

もしもどこかで赤線がつながっているとすればそれは浮気してるってことになります。

 

先ほどの疑問をマッチングという言葉を使って定式化してみます。

 

「全員がカップルになれるかどうか?」

「線が5本のマッチングがあるかどうか」

 

この問いに対する一つの答えが次の定理です。

便宜上ここでは青い点の集合をMピンク色の点の集合をWとします。

定理(Philip Hall 1935)

全員がカップルになる組み合わせが存在する必要十分条件は、どのMの部分集合Aに対しても|A| \leq |N(A)|が成立することである。

ただし、N(A)Aの点とつながるWの点の集合。

 

ダラダラと書いてきましたが、大事なことは全員がカップルになる組み合わせがあるかどうかを判定する方法があるということです。

 

まとめ

キダ・タロー氏から始まりフィーリングカップル5vs5というバラエティー番組の企画に話が移りました。

次に、このフィーリングカップル5vs5で全員がカップルになる組み合わせがあるかどうかと考えました。(ただし、「相手は一人に絞らなくて良い」という条件を追加しています。)

そしてこのカップル成立という条件をマッチングという数学の言葉を使って定式化し、ある定理で全員カップル達成できるかどうか判定できるということを紹介しました。

 

せっかくなので例や定理の証明を書きたいのですが、

ここで書くと長くなりすぎるので今日はこのあたりで。

後日続きを書きたいところです。